2005年02月27日

26日、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2005へ行った(まとめ編)。

観れなかった「オッパイ星人」のトーク場面。フンドシ男が壇上に座っているのが激しく気になる。

ゆうばり国際ファンタスティック映画祭オフィシャルサイト

 まとめというか、家に帰ってきたので改めて夕張映画祭というイベントを振り返ってみようと思う。

 行程などはちまちまとメールで更新していたものを見ていただければ大体わかると思う。夕張市各所(ウエルカムパーティーの場所も含めれば7箇所)で上映される映画を追って車で市内を駆け巡った。
 無料巡回バスなども走っていたが結構上映と上映の隙間が短く、夕張での滞在期間が一日なら車で行き走り回るか、2・3日宿泊してゆっくりと回るかしたほうが良いだろう。私も来年は宿泊で行きたいと思う。酒も飲めるし。

 そもそもこのゆうばり国際ファンタスティック映画祭とは何か?
 簡単に説明すると今年で16回目を向かえる北海道夕張市とゆうばり国際ファンタスティック映画祭実行委員会が主催する映画祭だ。期間中4日間は市内各所で映画が上映され、オールナイトイベントなどもある。
 最大の特色としては「町ぐるみで運営される映画祭」ということだろう。住民達の協力無くしてはここまで成長し得なかった筈だ。

シベ超も来ていた。
街は映画のポスターや看板で溢れていた

 今年、私が見た映画は11作品。順にタイトルを挙げていこう。()内は上映分数だ。

『夏の終わりのアイス売り』(9)
『永遠に、繋がって、いく』(10)
『いもり』(13)
『マリコ三十騎』(23)
『ミガカガミ』(28)
『日ノ丸レストラン』(30)
『トレモリノス73(原題)』(93)
『Hands』(10)
『RED LINE』(12)
『亡霊極道』(109)
『CHARON』(89)

 一日で11作品見た割には「疲れて死にそう」とかそういうことは無かった。むしろ充実感を伴った心地よい疲れを感じながら帰宅できた。ちなみに「トレモリノス73」以外は全てフリー(無料で観れる)作品で、コストパフォーマンスも良かった。

 町ぐるみで運営される映画祭というのが夕張国際映画祭の特色だと書いたがこれは現地に行ってもらえれば納得できると思う。本州から有名俳優・女優さんや監督さん、映画に関わる人たちが訪れるイベントでもあるのだが、住民によるイベントの手作り感がその人たちと私たち観客の間にある垣根を低くしているように思える。
 だって映画を見終わったら今までスクリーンの中で動き回ってた人が廊下で待ちかまえているんですよ?
 そういう部分、つまり夕張の住民達が15年かけて作り上げてきた和やかな雰囲気、というのが夕張市を訪れた人たちにも大きな影響を与えているのだ。

温かくて美味かったが、屋外の寒さに耐えきれず車に逃げ出しました。
地元住民が作る温かい鍋料理を囲んで映画談義

 夕張市の方々は大変だと思うがいつまでも続けてほしいイベントである。

 そしてまだ行ったことのない人は是非行って、その雰囲気を感じてほしい。このようなイベントを行う夕張という街が、羨ましくなるはずだ。
 私は来年も行きます。今度は泊まりで。

 作品評。
 ネタバレ気にせず好き勝手書くのでそういうのが嫌な人は読まないでほしい。尚、完全に私個人の感想なので万が一ボロクソ書かれていても「そういう感想の人もいるんだなあ」程度で気にしないでいただきたい。独断と偏見ですから。

 『夏の終わりのアイス売り』
[監督・脚本・撮影・録音・編集]河野和男
[出演]鈴木明日香/大谷俊介/堀之内勇介
 つまらなかった。なんでつまらなかったかというと、私には監督の伝えたかった事が読みとれなかったせいであろう。資料によると「芯の強い女を描きたかった。それによって生きることの力強さを表現したかった」とあるがそれを読めばああなるほどと思うのだが、そこが映像で私に伝わらなかったため「???」という感想しか持てなかったのだろう。裸が出てくるまではソコソコ面白かったのだが。せめて「沖縄に泳いでいく」というオチというかオマケの部分が無かったら(もしくは違う表現だったら)良かったのに。
 上映時間が短いのは良かった。

 『永遠に、繋がって、いく』
[監督]原田光規
[脚本]谷門展法
[出演]浜谷真理子/芹澤カトゥ/一ノ瀬優太朗
 主演女優の朗読演技がちょっと肌に合わないなあと思って見ていた。それが慣れてきて気にならなくなってきたところラストで「ヒューマンタワー」というバカ設定(誉め言葉です)が出てきて、私的には凄く良かった作品。こういう風に積み重ねてきたものを一気にブチ壊す感じは好き。

 『いもり』
[監督・脚本]小泉史香
[出演]今野早苗
 一番のウケタのは巨大な肉塊を見て「一人じゃ食べきれない・・・」と主人公が呟いたシーン。多分二人でもアレは無理だろ、と心の中でツッコミ。主人公がラストで服を脱ぐ、ハラキリするという2点のその必然性が分からない。振られた悲しみで衝動的に、という事だったら服なんて脱がない気がするし。だからといって振られた悲しみで頭がおかしくなったという事だとしたら服は全部脱ぎそうな気がする。
 それにどっちにしろ「ハラキリ」は衝動的な自殺とか自傷行為を表現する手段にはそぐわないと思う。

 『マリコ三十騎』
[監督]真利子哲也
 これ良かった。8mm作品だからどうだという事はないが、小細工を使わず直球勝負できるのはスゴイ。

 『ミガカガミ』
[監督]TORICO
[脚本]TORICO/裏山良吉
[出演]夏目敦子
  映像は凄くキレイで監督独特のセンスも感じる作品なんだけど、CG合成に振り回されている感じがした。簡単に言えば「映像キレイだね」くらいしか引っかかるところが無かった。
 ラストのオチもCG合成で実現出来なければあのオチにならなかったように思う。

 『日ノ丸レストラン』
[監督]森田空海
[脚本]岡本貴也
[出演]ジョナサン・シェア/ミア・ダンブロン/土平ドンペイ
 バカ映画(誉め言葉です)で良い。こういう映画を真面目に作れるのは良いことだ。オチが弱いのは残念だけど。

 『トレモリノス73』
[監督・脚本]パブロ・ベルへ―ル
[出演]ハビエル・カマラ/カンデラ・ペーニャ
 コメディーと言うより軽妙に人生を描写しながら人間の本質に切り込むドラマ作品だと思う。男の女に対する愛、女の男に対する愛が描かれている。ストーリー紹介だけ見るとエロ作品っぽいので損をしそうな作品。確かに裸は出てくるが。

 『Hands』
[監督・脚本・撮影・編集]岡田信也
[出演]木村章鼓/深井未来生
 同時に2画面で違う場面を見せ、それがリンクする瞬間が気持ちよかった。あまり見たこと無い手法だけどそれが成功している。そういう手法を使ってセリフが全くないにも関わらず、観客が混乱することなくストーリーを追えるのは凄いことだと思う。
 そういう斬新な点がありながら面白い作品でした。

 『RED LINE』
[監督・撮影]本橋圭太
[出演]橋本啓輝/木下ほうか
 ショートフィルムの見本とも言えそうなキレイに纏まった作品だと思う。ただキレイに纏まった作品は逆に印象が薄い。教科書に載る作品みたいに。

 『亡霊極道』
[監督・脚本・編集]品川亮
[出演]松田政男/森達也/入江昌樹
 今回見た中で一番の問題作。
 「お前が何やりたいかさっぱりわかんねえよ!」という劇中のセリフがウケました。なんでかというと私もこの作品に対してそう思っていたからです。途中、上映が中断するというトラブルがありましたが、仮に普通に最初から最後まで上映されていても意味がわからなそうな感じ。
 ただ一つだけ評価したいのは上映時間。せめて109分じゃなくて10分くらいだったらもっと甘い評価(私の中では)になったかもしれない。しかし監督はあえてこの時間にしたということはこの時間をかけて伝えたい何かがあった筈で、それが伝わらなかったのはまた別の問題だ。その妥協をしないで思う存分自分の表現を見ている人に叩きつける姿勢は表現者として見習いたいものだ。

 『CHARON』
[監督・脚本]高橋玄
[出演]川本淳市/水上竜士/森崎めぐみ
 大人に見てほしい作品。
 とにかく、今回の夕張で最後にこの作品を見れた事は凄いラッキーだったと思う。人と人との巡り会いも偶然だけど作品との巡り会いも偶然なのだから。
 正直言って見終わってからほぼ24時間経った今でも迷っている。
 この映画のレビューを書くことが正しいかどうか。ハッキリ言ってレビューを書きたくないのだ。なんの情報も入れない状況で見てほしい。というか「見てほしい」とかそんな意見すらも知らないままこの映画に出会ってほしい。祈るような気持ちである。
 だから内容に関しては触れない。
 ただ一つ言えるのは、この映画に関わった全ての人が幸せであろう、ということだ。
posted by イイイイイ at 22:36| Comment(6) | TrackBack(3) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
覚えてますか?ふぉとまでお話させていただいたけぽらんデス☆kenk氏のリンクからこちら拝見しました◎アタシも映画は大好き!どちらかと言うとちまたで評判のメジャーな映画よりも、キノだけで上映してるようなのとか、ややマイナー感のあるものが好きですね★イイイイイさんの映画評をみて是非『CHARON』観たくなりました(>_<)レンタル屋さんとかにナイのかなぁ〜。。
Posted by けぽらん at 2005年03月03日 22:27
どもども、お久しぶりです。覚えてますよ〜。「ケ○コとマ○ブ」のけぽらんさんですよね?

これだけバレバレの伏せ字も珍しい。

ミニシアター系の映画が好きなら「CHARON」、良いと思います。今のところ東京でしか公開されてないみたいなのが残念ですが。札幌にも来る、いや是非来て欲しい〜。

Posted by イイイイイ at 2005年03月04日 01:52
今更だけどゆうばり映画祭!
私も同日、オフシアターを見に行きました!初めてだったんだけど面白かった!私がいいなぁって思ったのは、「いもり」と「世界は君のためにある」かなぁ…。とくに「いもり」って女だから理解できる部分ってスッゴクあると思うんですよ。私には最後に脱ぎ捨てちゃう気持ちとか分かる!好きな人の為に買ったものは捨て去ってしまいたいし、でも頭のどこかで冷静な自分もいて、助かるとか死ぬとかまでは考えてないけど捨てきれない自分みたいなものが有って…うまく言えないけど、そうゆう女のしたたかさとかグロイ部分とか「わかる!」って思いましたもん。好きな人の前では絶対に見せたくない、見せないように努力してる部分をガツンと見せられたから、衝撃だったなぁ…。特にドロドロした恋愛関係とか経験してる人は「私だけじゃないんだ」ってある意味勇気を貰ったんじゃないかなって私は思います。監督さんにも女優さんにも期待してます!
Posted by もこっぺ☆ at 2005年03月17日 15:31
どもども。コメントありがとうございます。

なるほど、そういう「湿った情念」の表現としてアリなのかもしれませんね。見ている者にガツンという衝撃を与えるためには。

>好きな人の為に買ったものは捨て去ってしまいたいし
この部分、自分の感性では思いもよらなかった。でも言われてみれば頷けます。

私はあの夜の自転車を漕ぐシーンに鬼気迫るものを感じました。

同じ映画を見てもやっぱり人それぞれ感じ方が違って面白いですね。「世界は君のためにある」は残念ながら見ることが出来ませんでしたが、最近は色々なところでショートフィルムのイベントがありますので見る機会があれば逃さないようにしたいと思います。
Posted by イイイイイ at 2005年03月17日 19:28
こちらこそ☆コメント有難うゴザイマス★

わかりますっ!わかりますっ!自転車を漕ぐシーン。すっごい良かった…
あの女優さん(今野早苗さん)他にどんな映画に出てるんだろう。色んな今野さんを見てみたい!「いもり」は情念っていうか黒い部分を前面に押し出してたけど、幸せなあったかい映画とかもきっと似合うと思うんですよ!好みの問題かもしれないけど…。
私としては、今後も応援したいし、期待しまくりです。

映画祭が終わって、もうじき一ヶ月が経っちゃうのに、まだ興奮が冷めなくて…ゆうばり病みたいです。
ショートフィルムのイベントがある時は、またここでもUPしますよね?それから今野さんの情報が有ったら教えて下さい!!!
Posted by もこっぺ☆ at 2005年03月25日 18:51
どもども。

今、googleで調べた限りでは殆ど今野早苗さんの情報って無いんですね。ちょっと意外だ。

>ショートフィルムのイベントがある時は、
>またここでもUPしますよね?
>それから今野さんの情報が有ったら教えて下さい!!!

私もショートフィルム好きなので、なるべくそういうイベントは見たいと思っています。確約は出来ませんが行ったイベントが面白かったらなるべくレポートに残したいですね〜。
Posted by イイイイイ at 2005年03月26日 00:05
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